あなたは児童相談所を利用したことがありますか?
実際に足を運んだことがある人や利用者の声を聞く機会は少ないかもしれませんね。
・なんとなく子どもを保護する施設というイメージはある
・暗いニュースと合わせて耳することが多い
・結局のところどんなところなのか知りたい
この記事では、児童相談所ってどんなところなのか、目的や職員の様子などを、
実際になんどか利用経験のある主婦が感想もあわせて、かなり簡単にまとめてみました。
一時保護のイメージが強いかもしれませんが、それは別の施設であることもご説明していきますね。
参考:厚生労働省「児童相談所の運営指針の改正について」
この記事に書かれていること
児童相談所の一時保護って?相談所に宿舎はない
児童相談所では、児童虐待の被害にあった子ども達が生活していると誤解されている方も多いようです。
児童相談所の一時保護とは、
児童相談所が必要を認めた時に子どもを一時保護所に一時保護するか、警察署、福祉事務所、児童福祉施設、里親などに保護を求めることを言います。
引用:litalico発達ナビ
子どもの身の安全を守るため、または子どもの問題行動を詳しく調査したり、適切な治療をしたりする必要がある場合に行われます。
その保護先は、児童相談所ではなく一時保護所や警察署、病院や養護施設、里親などへ委託されているのです。
一時保護所は児童相談所と併設されることもありますが、そうではないこともあります。
児童相談所の管轄や役割について
児童相談所は、児童福祉法に基づいて各都道府県に設置されている、児童福祉の専門機関です。
都道府県の管轄になりますので、市役所などの子育て支援対策の部署とは別の組織なんですね。
2018年4月に児童福祉法の改正がおこなわれ、
児童虐待の早期発見や発見時の迅速な対応のために、「児童相談所の機能の強化」に向けた取り組みがさかんになってきています。
東京23区も、それぞれに児童相談所の設置を検討しています。
児童相談所って何をしてくれる?役割や業務の内容
児童相談所の目的はなによりも、子どもの福祉や権利を守り、子どもが健やかに育つことにあります。
そのために、児童相談所は市町村などと連携を図りながら、子どもに関するあらゆる問題の相談窓口として、家庭等に必要な援助を行っています。
具体的には、
親の家でや離婚・入院などで養育が難しい…など
性格や遊び方、お友達とのつきあい方、生活習慣に関する悩み(夜尿やチック、爪かみ)、
家庭内暴力や不登校・家出・非行、性教育など
未熟児、虚弱児、小児喘息やその他の疾患や障害などがある子どもに関する悩みや対処について
近所の家庭が虐待をしているかもしれない、自分自身が虐待を受けている、もしかしたら虐待をしてしまっているのではないかと悩んでいる…そういった相談を受け、調査や支援を行います。
さまざまな問題や悩みに対して、専門的な分野からの助言や制度や手当の案内などの手助けをしてくれます。
特に近年急増している児童虐待の被害に対する、児童相談所の機能の強化が必要とされています。
児童相談所の雰囲気や相談した感想
わたしは、時期は違いますが、子どもの発達に関する相談や自身の入院の際に子どもの預け先の相談をしたことがあります。
あらかじめ電話で相談をしてから向かいました。
受付で名前を名乗ると、児童福祉司や児童心理司など専門の職員さんなどが連携して対応してくれました。
その時に事務所の様子をうかがえたのですが、雰囲気としては市役所やハローワークと似た感じです。たくさんの書類や電話応対の声、「対人援助もあり、デスクワークも大変そうだな」と感じました。
あくまでも個人の感想ですが、
実際に足を運んだ時には「子どもの施設」ではなく「大人の職場」という印象を持ちました。
たくさんの職員さんが仕事をされていたし、実際に相談に来られている他のお子さんにもそれ以上の大人が付き添っていたからかもしれません。
児童相談所には個別の相談室がたくさんあり、発達や心理の検査をするためのグッズや大きな遊具が置かれている部屋もあります。
そういう部屋はキッズルームのような、療育センターのような雰囲気です。
わたしが職員の方に事情を説明したり、具体的な相談をしている間、子どもは別のスタッフの方とテストをしたり、おもちゃを使って遊んだりしていたようです。
子どもの発達に関しては、テストなどの数値的な判断もできますし、実際のやりとりを通してのコミュニケーション能力や緊急性なども考慮されていたのではないでしょうか。
入院の際には、児童相談所が中心となって家族や関係機関との連絡や調整を行ってくれたので、個人的には大変助かりました。
まとめ
児童相談所は、子どもの問題や悩みに関するあらゆる相談を受け付け、対応するための専門機関です。
児童虐待の増加を受けて、保健相談などは市役所などの子育て支援に役割をシフトしつつある印象ですが、発達や障害などに関する専門的な知識や支援が必要とされるケースにも対応してくれます。
一時保護の際の子ども達の受け入れ先は、児童相談所ではありません。
一時保護所やその他の施設・里親さんに委託されます。
児童虐待や育児不安による相談が増えている現状で、子ども達の置かれている状況や問題を正確に組み上げ、必要な支援へとつなげてくれる場所として、今後も設置される地域が増えていく予定です。