社会福祉士の資格取得を目指したい。
そう思っていても、受験資格を得るには、学費や勉強時間の確保が大切になってきますよね。
社会福祉士になるための職業訓練があることをご存知ですか?
筆者の住む地域の管轄ハローワークでは、2018年に初めて社会福祉士のための職業訓練コースが開設されました。
離職している必要がありますが、一日勉強に専念できて、学費をおさえることもでき、条件によっては、一定の生活費が支給される可能性もあります。
とはいえすでに、競争倍率もなかなかのもの。
世間に周知されてくれば、さらに倍率は高まると予想されます。
こちらでは、そんな穴場ともいえる職業訓練の情報をわかりやすくまとめています。
これから「社会福祉士の受験資格を取りたい」と考えている方のご参考になればさいわいです。
お住まいの地域で受講できる公共職業訓練校の情報はこちらからどうぞ。
この記事に書かれていること
社会福祉士の職業訓練はある!!
職業訓練とひとことでいっても、仕事を退職されてすぐの方と、雇用保険を受給できない方受けられる訓練が異なります。
・離職後すぐの方など、雇用保険が受けられる場合は「教育訓練給付制度」
・離職期間が長い方など、雇用保険が受けられない場合は「求職者支援制度」
今回ご紹介するのは「教育訓練給付制度」「求職者支援制度」どちらでも受講できる職業訓練にあたります。
この記事は、筆者の管轄ハローワークでの2018年の募集内容を一例としてご紹介していきます。
募集期間や、受講資格、応募方法などは受け入れ施設などによっても異なるかと思いますが、一つの参考にしていただけるとさいわいです。
公共職業訓練「社会福祉士養成科」の募集内容は?
募集期間
平成30年2月1日~3月8日
※17時必着
平成31年については、現在準備中とのことです。
今後もおそらく毎年開催される予定ではありますが、何らかの事情により中止になる可能性もありますので、お近くのハローワークに確認されることをおすすめします。
募集定員
5名
受講資格
次のすべての要件を満たす方が対象になります。
- 大学卒業以上の方
(ただし、新規学卒未就職者及び学校卒業後1年を経過していない者をのぞく) - ハローワークに求職申し込みを行い、公共職業安定所所長による受講指示、受講推薦または支援指示を得られる方
- 過去1年以内に公共職業訓練または求職者支援訓練などを修了していない方
- 国家資格等高い知識及び技能を取得し、正社員就職を希望する方
- ハローワークの就職相談でキャリアコンサルティングを受け、当該訓練の受講が必要と認められた方
このように、直接入校申請をすることができない仕組みになっています。
まずはハローワークに手続きの問い合わせをする必要がありますね。
社会福祉士は受験資格のひとつの要件として、4年生大学を卒業している(それ以外であれば専門養成施設を卒業後に一定期間の実務経験など)ことが決められています。
1年間の職業訓練では、さすがに大学卒業資格までは取得できませんね。
≫≫社会福祉士になるには?高卒の最短ルートは?(追記します)
訓練の概要
平成30年4月~平成31年3月の1年間
無料(ただし教科書・教材等は自己負担)
学校などによっても異なるかと思いますが、募集要項に詳細が記載されています。
・テキスト代として64,000円程度
(社会福祉士養成講座テキスト、社会福祉六法、ソーシャルワーク演習ワークブックなど)
・その他経費として58,000円程度
(上靴代、模擬試験代、国家試験諸費用、職業訓練生用保険料など)
訓練実施校に入校し、必要なカリキュラムを修了後、社会福祉士の資格を取得し、就職に結びつけること
応募方法
入校願書
※住所地を管轄するハローワークにて受け取れます。
委託訓練の主催者
※ハローワークではありません。
選考試験
選考日時:
平成30年3月13日 14時~17時
※受験票は送付されないので、必ず指定の日時に選考会場に行くように指示がありました。
各地の主催者による場所の指定があります。
持っていくもの:筆記用具
適正検査・作文・個人面接
3月19日 14時に合格者番号を掲示、同日全員に選考結果を発送
悪天候等により、選考試験や入校説明会等の日程が変更になる場合もあります。
訓練中のカリキュラムの概要
あくまでも標準内容ですので、詳細は訓練実施校へ問い合わせることをおすすめします。
科目 | 訓練の内容 |
人体の構造と機能及び疾病 |
心身機能と身体構造、 疾病・障害の概念、 リハビリテーションの概要 |
現代社会と福祉 |
福祉制度の意義や理念、 福祉政策の課題の理解、 福祉政策の構成要素の理解 |
地域福祉の理論と方法 |
地域福祉の基本的考え方、 地域福祉の推進方法 |
社会保障 |
社会保障制度の課題の理解、 社会保障制度の体系と概要 |
相談援助演習 |
相談援助の知識と技術 (具体的な相談援助技術事例の取上げ・実技指導) |
相談援助実習指導 | 相談援助の知識・技術の実践的な体得 |
相談援助実習 | 社会福祉士に求められる資質等の課題把握等 総合的な対応能力の習得 |
入校願書提出後のおおまかな流れ
ハローワークにて願書をもらい、すみやかに願書を提出しましょう。
その後の流れは、次のようになっています。
↓
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↓
↓
↓
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(受験資格は「見込み」で受験できます)
↓
↓
↓
おおむねこのような流れになります。
1年間の間に、資格取得と再就職を目指すことになるので、なかなかハードなスケジュールになりますね。
同じ職業訓練を受けても、制度が違う??
今回ご紹介した職業訓練を受講される期間中、生活費をサポートされている方は2通りいらっしゃいます。
雇用保険を受給される方と求職者支援制度によって受講される方です。
ちょっと面白いですが、
職業訓練で同じ養成施設に入学していても、「Aさんは入学金や授業料を支払って入学、Bさんは授業料免除の職業訓練を受講している…」なんてこともあるんですよ。
雇用保険を受給される方は、学費や入学金を納めつつ、基本手当や「教育訓練支援給付金」という給付金を受けて受講されています。
求職者支援制度を受けられている方は、受講料は無料、訓練期間中は月額10万円が「職業訓練受講給付金」として支給されています。
実際に、筆者が保管お福祉系資格取得のために職業訓練に通った際にも、同じようなケースがありました。
社会福祉士の社会保障の基礎知識として、覚えておいてもいいかもしれませんね。
まとめ
社会福祉士の職業訓練についてご紹介しました。
大学卒業以上の方で、一定の要件に該当する方であれば、職業訓練に受講することができます。
訓練中は、生活費や学費のサポートを受けつつ、しっかりと専門的な知識を習得することができるため、環境を整えたい方にはありがたい制度ですね。
他の福祉分野を経験された方がキャリアアップのために受講されたり、専業主婦の方が社会復帰を目指すための資格取得に挑戦されていたりされています。
あなたの住所地のハローワークにも、募集が出ているかもしれませんよ。
興味のある方は一度確認されてみてくださいね。
お近くに公共の職業訓練校がなかったあなたに。通信講座や専門学校への通学などの受講費をお安くできるハローワークの制度などもこちらでご紹介しています。
よければ参考になさってください。