母乳育児をしていると、「乳首の痛み」を経験する人は多いはず。
乳首がヒリヒリしてきたり、カサカサでヒビ割れたようになったり、
よくみると乳首の付け根がぱっくりと裂けていることも!!
このようなおっぱいの傷は、「乳頭亀裂」「乳頭裂傷」などと呼ばれます。
出血して赤ちゃんが飲んでしまっても問題はないようですが、
放置しておくと傷が悪化して化膿してしまったり、発熱したりとママが大変です。
乳首が傷ついているときの授乳は、かなり苦痛ですし、早く治したいですよね。
今回は、楽しい授乳タイムを望むママのために、筆者の体験もふまえつつ、乳首が切れる原因と対策についてご紹介します。
ちくびが切れるのはなぜ?5つの原因
授乳を始めて、乳首に異常を感じる方は結構いらっしゃいます。
普通におっぱいをあげているだけなのに、なぜ乳首が切れてしまうのでしょう。
主な原因は次の5つ。
①乳首が固い・のびない
②赤ちゃんの飲み方が下手
③授乳間隔が短い
④衣類の刺激
⑤赤ちゃんに噛まれる
乳首の状態と授乳の方法にあるようです。
また授乳をしてなくても、乳首はとってもデリケート。
くわしく見ていきましょう♪
1.乳首が固い・のびない
新米ママに多いのがこの悩み。
授乳を繰り返すうちに、乳首もやわらかく伸びるようになっていきます。
小さな赤ちゃんでも、おっぱいを吸う力は結構強いんです。
間違って唇を吸われると、ドラ〇もんのスネ夫みたいに上唇が伸ばされてしまうほど。
(ちなみに3人目の最後の授乳では、乳首が3㎝くらいは伸びるようになりました)
この力が、まだ固い乳首に加わると、皮膚が耐えられずに割けてしまうのです。
2.・赤ちゃんの飲み方が下手
生まれたばかりの赤ちゃんは、なにもかも未経験。
上手に乳首をくわえることもできません。
乳首だけを吸うような浅いくわえ方だと、乳首の付け根に負担がかかってしまいます。
がんばって飲んでくれてる姿は、本当に愛おしいんですけどね~。
3.・授乳間隔が短い
おっぱいの量が少ない場合や、赤ちゃんがたくさん飲めない場合は、どうしても授乳の回数が増えがちです。
生まれたばかりの赤ちゃんは1日に10回以上の授乳を必要としますので、この頃は本当に乳首に負担がかかりますね。
乳首も常にふやけて皮がむけやすい状態にありますし、傷がある場合は治りも遅くなってしまいます。
筆者は授乳後、濡れて乾いてを繰り返すことで、乾燥しがちなのか、ひび割れができることもありました。
ママとしてはおっぱいをあげたいけれど、傷が痛いので色々と葛藤を抱えることになります。
つらい…。
4.・衣類の刺激
すでに乳首に痛みがある場合は、衣服でこすれるだけでもかなりの刺激になります。
服の素材自体が、妊娠で敏感になった肌に刺激になることもあります。
痛くて刺激に敏感になっているのと、乳首が固くなっているのとで、一層こすれてしまうことも。
筆者もかろうじてくっついていた傷跡が摩擦で開いてしまい、ブラジャーの内側に擦り傷のような血痕がついていた経験があります。
実はわたしは、中学生の成長期の頃にも、同様の経験をした事が…。
生理前や寒さなどで乳首が固くなることはよくあります。
刺激に敏感になっているところに、サイズの合わないブラジャーの中で乳房が動いてしまい、乳首が切れてしまいました…。
5.赤ちゃんにかまれる
ある程度赤ちゃんが育ってくると、乳首で遊ぶようになることも。
乳首を口にくわえたまま頭を振ったり、わざと反対の方向を向こうとしたり。
さらに歯が生え始めると、なにかのスイッチが入ったかのように真顔で噛んでくることもあります。
これには母も真顔で立ち向かうことになります。
寝ぼけて噛まれることもあるので、油断ができませんよ。
ひっぱって離そうとすると、ドツボにはまってしまいます。
口を開けるために鼻をつまむと効果的です。
乳頭亀裂の治し方 ケア方法あれこれ
痛む乳首をそのままにして、授乳を続けるのはおすすめしません。
せっかくの赤ちゃんとのコミュニケーションの時間が、苦行のようになってしまいます。
お母さんのストレスが少ない方が、赤ちゃんだって嬉しいはず。
先輩ママの声を参考に、乳首のケアをしていきましょう。
- 傷んだ乳首を保湿する
- 乳首を冷やして痛みをおさえる
- おっぱいの飲ませ方を変える
- 乳首保護グッズを活用する
- おっぱいをお休みして、搾乳やミルクで乗り切る
- ブラジャーは肌に優しい素材で、サイズの合ったものを選ぶ
それぞれくわしくご紹介していきますね。
1・傷んだ乳首を保湿する
今まさにちくびが痛い!!という時には、まず手当をしましょう。
多くの先輩ママたちは、自宅にあるもので応急処置しているようです。
傷の入ってしまった乳首のケアには保湿が大切。
通常は母乳を2~3滴絞って乳首に塗っておくだけでも十分効果があります。
傷が入っている時には、授乳の前後に保湿用のオイルやクリームを塗ってマッサージしたり、乳頭の大きさに切ったコットンやラップでパックしましょう。
※ラップは大きすぎると乳房がかぶれる原因にもなりますので、5㎝角程度のちょうどよいサイズに切って使いましょう。
ポイントは赤ちゃんが口にしても大丈夫なものを使うこと。
授乳のたびにコットンで乳首を拭いて清潔にしている人って、一体どれくらいいるのでしょうか?
毎回きれいに拭いたとしても、残留の可能性もありますので、やはり口に入れても大丈夫なものを選びたいですよね。
乳首のケアにおすすめの保湿剤は?
乳首の保湿剤として体験談によく出てくるものをまとめてみました。
ワセリン
石油を精製した保湿剤。低刺激で、無臭。
薬局などでも手に入ります。購入の際には、赤ちゃんの口に入っても大丈夫なものか、確認しておくといいですね。
出典:https://allabout.co.jp/gm/gc/466611/
馬油
精製された馬油ならなめても安心。少し臭いがすることも。酸化するので、古いものは乳首にはつけないほうが無難です。
出典:https://www.amazon.co.jp/
オリーブオイル ご家庭にある食用のもので大丈夫。お肌が弱い方や酸化が気になる方は、新鮮なものを使いましょう。
専用のクリームも市販されていますよ。
カネソン ピアバーユ
カネソン Kaneson ピアバーユ(25mL*1本入)【カネソン】 感想(0件) |
カネソン ランシノー
価格:728円 |
メデラ ピュアレーン
メデラ正規品 ピュアレーン Pure Lan100 乳首ケア medela メデラ正規代理店 出産 育児 母乳育児 感想(2件) |
シノーとピアバーユのセットも
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口コミやくわしい塗り方などはこちら。
いずれの商品も専用の保湿剤なので、乳首をそのまま赤ちゃんの口に含んでも大丈夫なのが安心です。
2、冷やして乳首の痛みを抑える
今まさにズキズキしている…、傷の部分が熱い感じがするというときは、冷やす方が痛みが鈍くなりますよ。
ケーキなどについてくる保冷剤をハンドタオルでくるんで、乳首を冷やします。
痛み止めの薬を飲んだようには痛みはなくなりませんが、何もしないよりは全然マシです。
わたしは授乳の後にオイルを塗った後に、ブラジャーの中に保冷剤を入れて冷やしていました。
専用の商品もありますよ。
乳首の傷の治りを早くしてくれるだけではなく、冷やして痛みを抑えてくれるようです。
もっと早く知っておきたかった…。
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2・おっぱいの飲ませ方を変える
乳頭裂傷の主な原因は、赤ちゃんの飲み方にあるとも言われています。
新米ママはおっぱいを飲ませるのも、まだまだ不慣れ。
試行錯誤して収まりのよいところを見つける過程も、親子の絆を深めてくれます。
乳首を痛めない授乳のポイントを下にまとめました。
乳首のケアと並行して、これらのポイントに注意しながら授乳するのが効果的です。
- 乳輪が隠れるくらい、しっかりと深くくわえさせる
- 左右の乳房をできるだけ交互に吸わせ、偏りのないようにする
- 授乳後はむりやりひきはがさず、ママの指を赤ちゃんの口角に沿わせながら入れて隙間をつくりながら離す
- 乳首に負担がかからないように、抱き方や角度などを工夫して、飲ませる向きを変えていく
- ちくびが痛い時は、添い乳などはやめて、長時間だらだらとくわえさせない
- 授乳の前にちくびをマッサージして、柔らかさをキープする
- 授乳後はオイルラップなどをしてちくびをケアする
- 噛まれたときは「噛まないで。ママ、おっぱい痛いよ。飲めなくなっちゃうよ。」などと諭す。
3・乳首保護グッズを活用する
オイルやクリームでケアをしていても、衣服の摩擦などで乳頭を刺激すると傷の回復が遅くなることもあります。
授乳以外の時間は、ちくびを保護するグッズなどを使うのもおすすめです。
乳陥没や偏平ちくび用、サイズや硬さを選べるものや、つけたまま授乳をできるものもあります。
ピジョン 乳頭保護器
ソフトタイプはMLサイズあり。2個入りケース付き、参考価格780円。
ハードタイプはフリーサイズ。1個入りケース付き参考価格1100円
出典:https://r.r10s.jp/ran/img/1001/0004/902/508/161/725/10010004902508161725_1.jpg?fitin=200:200&composite-to=*,*|200:200
メデラ 乳首保護カバー
SMLサイズあり。2枚入り専用ケース付き、参考価格1620円
出典:http://www.medela.jp/.imaging/mte/medela-global/product/dam/medela-com/breastfeeding-consumer/pictures/products/contact-nipple-shield/medela-breast-care-contact-nipple-shield-l.jpg/jcr:content/medela-breast-care-contact-nipple-shield-l.jpg
カネソン ママニップルシールド
SMサイズあり。2枚入りケース付き参考価格840円
出典:http://www.kaneson.co.jp/cgi-bin/cargo529/img/4979869004244.jpg
メデラ社の乳頭保護カバーを身内が使っています。
もともとは乳首が短いために使っているようですが、はじめての授乳でも乳首を痛めることなく、順調に授乳ができていますよ。
4・おっぱいをお休みして、搾乳やミルクで乗り切る
無理に自力で乳首から飲ませずとも、授乳はできます。
哺乳瓶を嫌がらない子ならば、搾乳した母乳やミルクとの混合にしてみましょう。
母乳育児は最初が肝心とは言いますが、傷口は早ければ2日ほどで治りますよ。
それまでは無傷の乳首に頑張ってもらって、傷のある方は少しお休みさせるのも回復を早めてくれます。
ただし、母乳の出具合にもよりますが、自分で搾乳したり、ニップルと併用するなどしておっぱいをためないようにしないと、乳房が張って辛い場合もあります。
お休み明けの際は、まず無傷の乳首の方から飲ませて、空腹時の強い吸いつきを避けた方が無難ですよ。
5.ブラジャーは肌に優しい素材で、サイズの合ったものを
授乳中は通常のバストより1~2サイズアップします。
サイズが合っていないと、締め付けすぎて血流が滞ったり、ガバガバで乳房が固定されずに乳首がこすれてしまったりと余計なトラブルを引き起こします。
ジャストサイズのブラジャーを身に付けましょう。
また妊娠や出産でデリケートになっているお肌には、コットンやシルクなど、なるべく刺激の少ない素材がいいですね。
それでもこすれて痛い場合には、母乳パッドを使ってクッションにするのもおすすめです。
乳首が痛いとき、病院に行く目安は?
「何度も乳首から血が出る」「何度も切れて傷が深くなってきた」そんな時には、産婦人科や母乳外来に相談しましょう。
傷口が化膿してしまうと、乳腺炎を引き起こす原因にもなります。
乳腺炎を起こしていても授乳はできるようですが、乳腺炎の治療のために抗生剤などの薬を飲む場合は、赤ちゃんにも影響がでるために授乳できないこともありますよ。
乳頭裂傷のケアの方法や、ご自身のクセなどに対する的確なアドバイスがいただけます。
保湿ケアをしていても、敏感肌の方などは悪化させないように早めの対処が大切ですね。
乳首が切れた わたしの体験談
私も三人の子どもを母乳で育ててきました。
それぞれにおっぱいのトラブルがありましたので、少しご紹介します。
初めての授乳生活の時には、最初の1カ月で乳頭亀裂と乳腺炎を経験しました。
頻回授乳と不慣れな姿勢のために乳首が痛み、しばらくは搾乳して哺乳瓶で飲ませることに。赤ちゃんは哺乳瓶での飲み方を覚えて順調でしたが、私の方は母乳量が多くて、絞り切れずにたまった母乳が原因で乳腺炎を起こしました。
ほんの2~3日のことです。
乳首の痛みが和らぐとすぐに授乳を再開しました。
搾乳もしながら母乳の量を調整し、赤ちゃんの飲み方や飲める量が変わってくるにつれ、乳頭亀裂も乳腺炎も自然と解消されました。
二人目は力が強く、出産の入院中に乳首に「血豆」ができました。
助産師さんが母乳のマッサージをしながら、裂傷の一歩手前に見られる症状だと教えてくれました。
一人目の授乳中に柔らかく伸びるようになった乳首も、次の妊娠中にまた元に戻ってしまったのです。
ズボラな性格で、妊娠中のマッサージを怠ったのも原因だと思います。
産院では特に薬などは処方されず、マッサージと、オリーブオイルを塗る方法を教わりましたよ。
最初は治りかけた傷が開くたびに悶絶していましたが、二週間ほど経つうちに自然と治っていました。
今現在、1歳を超えた3番目の子の授乳中です。
乳首をくわえたままひき伸ばしたり、飲んでいない方の乳首を指で転がすのがお気に入り。
とうとう乳首に傷が入ってしまいました…。
授乳の時に歯を食いしばるほどの痛みを感じ、よくみるとうっすらと切れ目が…。
ほんの2ミリくらいの傷ですが、これが嘘みたいに痛いのです。
さいわい出血などはありませんでしたが、再びオイルパックをする羽目になりました。
授乳後の乳首のケアも、忘れずにした方がいいですね。
授乳間隔が開いた方が、治りがいいように感じます。
母乳育児なので、転んだりちょっとのどが乾いたりしただけでも、おっぱいを欲しがります。
おやつやお茶、公園遊びなどで気をそらしつつ、授乳回数を少し減らす努力もしました。
一晩で1ミリくらい回復していたりしていましたよ。
参考まで。
まとめ
授乳は栄養のためにも、スキンシップのためにも赤ちゃんとママの大切な時間ですよね。
ですが乳首が痛いと、せっかくの授乳タイムがストレスになってしまうことも。
乳頭裂傷は、無理せずに早めの対応を!
まずは乳首を保湿すること。
さらに授乳の体勢や飲ませ方を見直しつつ、対策グッズも上手に取り入れていきましょう。
傷ついた乳首も、お休みさせれば擦り傷のように2日程度で、ケアをしながら授乳していても一月ほどで治ります。
傷が深くならないように頼れるものには頼って、母乳育児を楽しんでいきましょうね。
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