キャンプや自宅でのバーベキューはとても楽しいですね。
とはいえ、火の扱いを軽んじてはいけません。
バーベキューの片づけで最も大切なのが、火の後始末です。
当然のルールですが、マナーやエチケットの問題だけではありません。
火の後始末をキチンとしておかないと、火災やトラブルの原因になってしまいます。
バーベキューを行う前に、正しい炭の消し方についておさえておきましょう!!
火を消す方法やコツ、おすすめの道具などをご紹介していきます。
この記事に書かれていること
これはダメ!NGな火の消し方
まずは、やってはいけない火の消し方を覚えておきましょう。
火のついた炭をほったらかしで帰るなんて論外です。
放火は大きな犯罪です。
とはいえ、知らずにやってしまうことのないようにしっかりとご紹介しますね。
①いきなり水をかける
バーベキューのコンロや炭に、水をかけてはいけません。
炭は800度以上の高温になっています。
そこに水をかけると、一気に熱せられた熱湯が飛び散ったり、高温の水蒸気や灰が舞い上がったりして大変危険です。
またコンロは急激な温度変化のために、変形したり、劣化してしまいます。
②土に埋める
炭を土に埋めて火を消すのも、やってはいけない方法です。
土に埋めても、炭は土には還りませんし、消火を確認することもできないからです。
実は炭は、化学的にとっても安定した物質です。
時間が経っても分解されたり、他のものに姿をかえたりせずにそのまま残ってしまいます。
土の中の生態系などに悪影響が考えられるため、環境を守る意味でも土に炭を埋めることはマナー違反です。
なにより、土の中に埋めただけでは、炭の火が消えたことを確認できませんよね。
炭は表面上は火が消えているようになっても、中で燃えていることがあります。
安易に土をかぶせて消火したつもりになり、火災につながる事故は実際に起きています。
完全に酸素を遮断できず、枯れ葉などの燃えるものに熱が伝わり引火して山火事にでもなれば、大惨事。
安全を守るためのルールはしっかりと守りましょう。
バーベキューの火を消す方法3選
炭や薪を使って火を起こした後、そのままでは終われませんよね。
炭の火の消し方を3つご紹介します。
①金属製のバケツに水を張って、炭を1つずつ入れていく
②炭が完全に燃え尽きるまで待つ
③火消し壺に炭を入れる
火を消すためには、それなりに時間や手間がかかります。
ひとつずつ詳しく紹介していきますね。
①金属製のバケツに炭を1つずつ入れていく方法
こちらが最も手早く、確実に火を消す方法です。
消火にかかる時間…30分程度
用意するもの
- 金属製のバケツ
- たっぷりの水
- 火ばさみ(トング)
鉄製のバケツを用意して、十分な水を入れておきます。
溶けてしまうので、プラスチックのバケツはNGです。
炭を火ばさみなどでつかんで、バケツの水の中に1つずつ入れていきましょう。
炭をゆっくりと入れると、水面から「ジュウジュウ」と熱い水蒸気が出てしまうので、水の中に「ジュッ」と入れるのがコツです。
また水の温度を一気に上げないように、なるべく赤々と燃えていない炭から、1つずつ水につけていきましょう。
全部の炭を水につけて、最低でも20分はそのまま放置しておきます。
一見消火されているようでも、中では燃焼が続いている場合があるので油断できません。
中までしっかりと消火できたら、新聞紙などにくるんでビニル袋に入れて持ち帰ります。
たくさんの炭や灰をバケツの中に一度に投入するのは、大変危険です。
水の温度が一気に上がると、熱湯が噴き出る「水蒸気爆発」のような現象が起きることも。大量の水蒸気が立ち上がり、熱湯がとびはねてやけどをする可能性があります。
灰などのゴミも一緒に舞い上がり、周囲への迷惑にもつながります。
炭は必ず1つずつ、灰も一気に入れずに少しずつ水に浸して、消火しましょう。
②完全に燃え尽きるまで待つ
炭を最後まで燃焼させて、燃え尽きるまで待つのも1つです。
たいした手間もかからず、残った炭を持ち帰る必要がないので身軽です。
消火にかかる時間…2~3時間程度
用意するもの
特になし
炭は完全に燃え尽きて灰になるまで、燃やしきります。
時間にして2~3時間かかります。
アウトドアの熟練者であれば、燃え尽きるまでの量を計算して薪や炭を調節しています。
初心者には炭の量を計算するのは難しいところです。7
バーベキューが後半に差し掛かったら、炭を追加するのは控えて、残った炭を燃やし切るように心がけましょう。
追加する場合は小さな炭にするといいですよ。
残った灰はしっかりと冷まして、ビニル袋に入れて持ち帰りましょう。
③火消し壺を使う
こちらもほぼほったらかしで、安全に火を消すことができる方法です。
この方法で消火した炭は、大変燃えやすく、着火剤として再利用することができます。
消火にかかる時間…1~2時間。
用意するもの
- 火消し壺
- 火ばさみ(トング)
火消し壺とは、火のついた炭を消化するための専用の道具です。
炭を入れてフタをすることで酸素を遮断して、消火します。
火消し壺の中に、火のついた炭を火ばさみなどで1つずつ入れていきます。
まだ赤々としている炭でも大丈夫。
炭や灰をすべて入れてから、フタをしてしまいましょう。
炭が熱い時には軽めにフタをしておき、炭が冷めてからしっかりとフタをしましょう。
変形やフタがはずれないといったトラブルを防ぐコツです。
1~2時間ほどすれば、炭の火が消えています。
バーベキューの後片づけの一番初めに火消し壺に炭をいれておくと、時間的にもスムーズに進められますね。
その間火消し壺は、使っていない薪や洗ったグリルの上などにおいて、直接地面に触れないようにしておきます。
火消し壺自体が大変熱くなることも。
- 持ち運びややけどには注意が必要です。
小さな子どもがおもしろがって触ることのないように、十分に配慮しましょう。 - 高温の火消し壺を直接地面に置くと、「直火禁止」のキャンプ場などではルール違反になります。
何か燃えないものを下に敷くようにしましょう。
アルスター火消しつぼ M CAPTAIN STAG 木炭 バーベキュー【RCP】【M-7570】 価格:1,922円 |
キャプテンスタッグの火消し壺はお値段も手ごろ。評価も上々なのが印象的です。
付属の足があるので、置き場所にも困りませんね。
ただし、かなり熱くなるので注意が必要です。
火消し壺の代用品はある?
あまり頻繁にバーベキューをすることがない場合には、火消し壺を買うのをためらってしまいますね。
熱に耐えて、空気を遮断するものであれは代用がききますよ。
次のようなものです。
・フタつきの金属製の缶
・オイルポット
・土鍋
使い古した土鍋を再利用している方を見かけました。
出典:「炭の処理の仕方」/十勝の金ちゃん
自宅のバーベキューの際に使われているそうです。
こちらの動画、とっても参考になりますよ。
火を消す際のコツやポイント
炭や薪を焚いていると、すぐに火を消すことはできません。
あらかじめ、消火のための時間を計算して予定を立てておきましょう。
水バケツに入れて消す際にも、まだ赤い状態の炭は入れられません。
せっかくの火ですから、グリルや網についた汚れを、炭の熱で焼ききってしまうのもおすすめです。
本当に火が消えてるの?確かめる方法
炭の火の温度は800度近くまで上がり、水をかけたくらいでは消えません。
表面上は消えたように見えても、中では燃え続けていることもあり、注意が必要です。
時間差で火災が起きることもあるので、大変危険です。
ではどうすれば、火が消えているかどうかチェックできるのでしょうか?
まずは上で紹介した方法で、火を消してくださいね。
その後炭や灰を直接ビニル袋に入れてみます。
その際にビニル袋が溶けなければ大丈夫です。
炭や灰を手で触ってみて、温かさを感じないくらいまで冷ましておきましょう。
炭捨て場のあるキャンプ場も
自宅でバーベキューをする際には、完全な自己処理になりますが…。
キャンプ場やバーベキュー用の施設などによっては、使用済みの炭を捨てて帰れる場所もあります。
機材のレンタルができるかなどのチェックのほかに、炭の処理ができるかどうかを確認しておくのも大切なポイントですね♪
利用する施設のルールやマナーを守って、安全で楽しいバーベキューにしましょう。
まとめ
一度火がついた炭は、簡単には消えません。
正しく火を消す方法を3つ、絶対にやってはいけない方法を2つご紹介しました。
バーベキューは楽しいアウトドアレジャーですが、火を使う以上は、その安全管理を怠ってはいけませんね。
ルールを安全管理を守って、バーベキューを楽しんでくださいね。