夫と別居すれば、扶養から外れ、社会保険料などの出費が増えるのでは?と不安を抱える専業主婦の方も多いのではないでしょうか?
別居をしても、一定額以上の収入がない場合は夫の扶養に入り続けることができます!!
ですが、あなたが夫と離婚をふまえて別居をしたいと考えているのなら
・夫の扶養から抜ける条件
・子どもを自分の扶養に入れること
これらについて詳しく知っておくことが大切です。
そもそも「扶養」には社会保険上の扶養と所得税法上の扶養の2種類があり、扶養に入る条件もメリットも異なります。
そこで、今回は「扶養」について知っておきたい6つのことについてご紹介していきます!!
この記事に書かれていること
専業主婦が入っている「扶養」の種類は?
一緒の家に住んでいる時は、特に何も気にせずに夫の「扶養」に入っていたかもしれません。
ですが実は扶養に入っている制度は2つあるんです。
・社会保険上の扶養
・所得税・住民税法上の扶養
扶養に入るための基準はそれぞれ違いますが、どちらに関しても、別居していても扶養に入ることはできます。
夫婦にはお互いに支え合い助け合うことが法律で定められているから。
単身赴任で別居しているご家族も、離婚を前提に別居するご家族も、結婚をしているのは同じと考えられます。
次から社会保険上の扶養と所得税法上の扶養について詳しく説明していきますね♪
社会保険上の扶養
一般に「扶養に入る」と聞いてイメージするのは、社会保険の扶養に入ることではないでしょうか?
「年金」と「健康保険」ですね。
妻が夫の加入している社会保険の扶養に入ると、年間約15万円ほどの支出がおさえられます。
標準報酬月額98000円で社会保険に加入した場合(東京都)
厚生年金4,851円/月
健康保険8,967円/月
結構大きいですよね。
パートの主婦が扶養の範囲で働きたいと考える1つのポイントになっています。
社会保険上の扶養に入るための要件
年金と健康保険では多少条件が違いますが、わかりやすくまとめると次のようになります。
・年収でおよそ130万円以上の収入がない
・その他の社会保険に加入していない
(労働時間や日数が他の労働者の4分の3未満)
参考:社会保険の被扶養者の要件(厚生労働省)
たとえ年収が130万円未満であっても、労働時間の基準に該当すれば、社会保険に加入することになります。
ちなみに扶養者の保険料は夫だけではなく、全国の(もしくは会社の健康保険組合なら会社全体)サラリーマン・OLによって負担されています。
妻が扶養に入っても、抜けても、夫の保険料は変わりません。
別居後にパートなどを始める場合には、ご注意くださいね。
健康保険は生活費をもらっていないと扶養に入れない?
健康保険は毎年現況届の提出があるなど、実態を把握するしくみになっています。
とくに会社の健康保険組合には、独自の決まりが細かく規定されている場合も多いので、被扶養者に該当する基準が厳しいことも。
注意したいポイントのひとつが、生活費を夫から援助されるかどうか。
一緒に暮らしている・生活費のほとんどを援助されているという実態がなければ、扶養されていると認めてもらえないのです。
つまり、別居していても夫から生活費をもらっていない場合は、「同一生計」とみなされず、妻が扶養に入れないこともあります。
ただし子どもに関しては、離婚していない場合は父母共に扶養義務があり、例え別居していても夫の扶養に入ることができると考えられます。
一方で厚生年金は、形式上で判断されることが多いです。
たとえば健康保険組合の基準で被扶養者に認定された場合は、厚生年金の基準をクリアしてなくても、あわせて扶養に入ることができるケースもあります。
所得税法上の扶養
社会保険の「130万円の壁」とあわせて、「103万円の壁」を耳にしたことはありませんか?
実はこれが、所得税がかかるかどうかの分かれ目なんです。
パートやアルバイト会社員などの給与収入であれば「103万円」、在宅ワークや個人事業主としての所得であれば「38万円」以上の所得があれば、誰にでも所得税はかかります。
壁を超えた部分にだけかかる仕組みになっており、一気に手取りが減ることもなく、それほど気にする必要はありません。
配偶者等控除に関しては、2018年1月に「103万円」⇒「150万円の壁」に法改正されています。
ですが、これは「38万円」の所得控除が受けられる収入の境目。
所得税法上の扶養の要件
所得税法上の扶養の要件は所得や親族であることなど、きまりがあります。
一般的な親族と配偶者では条件も違うんですよ。
(共通部分)
・申請者(夫)の妻子や親族であること(対象となる範囲)
・同居しているかどうか(生計を同一にしているかどうか)
・年間所得38万円(給与所得103万円)以下
・12月31日時点で16歳以上であること(年齢要件)
(配偶者に関して)
・配偶者控除 年収103万円以下
・配偶者特別控除 年収103万円超~201万6千円以下
ただしこれは夫の所得税が減額される制度。
たしかに家計として考えればメリットですが、離婚を考えている夫婦であればそれほど重要なことではありません!!
ここで注目したいのが、子どもの扶養に関してです。
なんとなくお子さんを夫の所得税上の扶養にいれていませんか?
16歳未満のお子さんを夫の扶養に入れていても、所得税としてのメリットはありません。
16歳未満の子どもを扶養に入れるとどうなるの?
実は、16歳未満の子どもを「扶養に入れる」税法上のメリットは、住民税にあります。
住民税は所得割と均等割の2種類の方法で納税額が決められています。
この所得割の部分には、非課税にできる限度額が設定されていて、扶養する人数によって変わります。
所得割が非課税になる限度額=35万円×(1+扶養人数)+32万円
つまり住民税は、扶養人数が多いほど非課税になる範囲が広がります。
大切なのは、住民税の扶養人数には16歳未満の子どもも含むということ。
住民税は一般に、所得をもとに算出されるので、年末調整や確定申告の用紙に子どもの扶養について記載するようになっています。
そのため、なんとなく夫の扶養に子どもを入れている共働きの妻も多いのではないでしょうか?
夫だけでなくあなた自身も住民税を支払っているのであれば、お子さんを所得税法上の扶養に移しておけば節税になります。
さらに離婚後に児童扶養手当(母子手当)を申告する際の所得制限の計算にも大きく影響してきます。
児童扶養手当との所得税上の扶養の関係
離婚してひとりで家計を支えるの親と子への生活支援として、「児童扶養手当」という制度があります。
「母子手当」と表現するとピンとくるかもしれませんね。
この手当を受給するには所得制限があり、多くのひとり親が直面するのが「子の扶養」に関する認識の違いです。
多くの自治体で用いられているのが、こちらの基準です。
参考:児童扶養手当 東京都福祉保健局
子連れで離婚しているのに、扶養している子どもが0人だなんて、おかしいと思いません⁇
ここでいう扶養人数は所得税法上の扶養に当たる部分をさしています。
もしあなたが児童扶養手当の申請に行くとして考えると、
- 1月から6月までに申請すると・・・ 前々年の所得・扶養人数
- 7月から12月までに申請すると・・ 前年の所得・扶養人数
この基準で手当が計算されることになります。
もともと夫の扶養に妻と子が入っていた場合、所得制限限度額はあなたの扶養人数が0人で、計算されることになります。
※あくまでも所得制限の限度額なので、支給額自体は実際の子どもの人数に応じて行われます。
とはいえ所得の上限を越えやすくなってしまいますよね。
妻に一定の収入があり、離婚したばかりの時によく問題になる部分です。
もしもあなたが子どもを連れての離婚を考えているのであれば、子どもの扶養に関しては準備を進めておきたいところですね。
ちなみに児童扶養手当は18歳未満のお子さんを扶養するひとり親などに支給されますので、18歳上のお子さんの場合は該当しません。
まとめ
別居を考える妻がふまえておきたい「扶養」のポイントをまとめてみました。
- 「扶養」には社会保険上と所得税表上の2つがある
- 社会保険は別居していても扶養に入れる
- 社会保険の扶養に入れる年収は130万円
- 所得税がかかっても、大きく手取りは変わらない
- 夫の所得税法上の扶養に入っても、得をするのは夫
- 離婚するなら、児童扶養手当の扶養人数をチェックしておく
子どもも連れて離婚を考えるなら、できるだけ出費を抑えて将来に備えて蓄えておきたいものですよね。
社会保険や税制度についてもしっかりとお勉強して、準備をすすめましょう。
いずれ離婚が成立すれば、夫の扶養から外れます。
あなたも子どもも幸せになるために、賢く・そしてたくましく、ガンガン人生を切り開いて行きましょう‼
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