お互いが支えあい、慈しみ合う、しあわせな家庭を築きたい。
そんな結婚生活を夢見て一緒になったはずなのに、いつしかお互いを無視しあうようになってしまった…。
食事も寝室も別、口も聞かない・顔を合わさない、合わせても喧嘩ばかり。
それでも「家庭内別居」をつづけるご夫婦、あなたはどう感じますか?
そんなに嫌ならサッサと離婚したらいいのに?
それほどの生活をしてでも、守りたいものってなんなの?
不思議ですよね。
メリット・デメリットとわたしたちが抱く感情は、全く違うベクトルに向かうこともあります。
他人が知ればどうでもいいようなささいなことでも、当人たちにしてみれば、大きな壁になることも…。
やってる本人達にしてみても、きれいに状況や情報が整理されているわけではありません。
今回は世間でみられる「家庭内別居」の理由を調べるとともに、私たち夫婦の関係について考えてみました。
少しでも参考になればさいわいです。
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この記事に書かれていること
世間にみる家庭内別居の理由
修復ができるかどうかはともかく、家庭内別居を選んだご夫婦にもさまざまな事情があります。
別居や離婚ではなく、なぜに家庭内別居なのか?というのが素朴な疑問ですね。
大きな理由は以下の5つだと考えています。
1、経済的な問題
2、手続きのわずらわしさ
3、子どもへの影響
4、世間体への不安
5、実は関係の修復を望んでいる
離婚や別居ともなれば、衣食住に大きな変化をもたらします。
できるだけ変化のない穏やかな毎日を送りたいと考えるのは、誰にでも当てはまることではないでしょうか。
次からひとつずつ詳しく見ていきましょう。
家庭内別居の理由その1 経済的な問題
離婚や別居を選ぶと、家賃・水道光熱費・食費などの生活費は別々になります。
転居にもまとまった費用は必要ですし、それ以降の安定した収入の目途が立たないようでは、生活が苦しくなるのは目にみえていますよね。
夫婦の片方が専業主婦(夫)であったり、おこさんがいるご夫婦、熟年のご夫婦には特にネックになる部分です。
例えば私のように専業主婦で子持ちだと…。
配偶者の扶養家族として社会保険などに加入している場合は、離婚すると国民年金・国民健康保険の保険料が発生します。
(もちろん行政に相談すれば、収入がない状況を考慮してもらえますが)
保険料やその他の必要経費以上の収入を手に入れる努力をしなければなりませんね。
その時間をつくりだすために、子ども達の預け先を探しお金を支払うことも必要です。
離婚後に夫からの養育費がきちんと支払われる保証もありません。
(きちんと公正証書に残しても、逃げる人は逃げます。転職して連絡先も伝えられなければ、給与の差押えも難しい…)
母子家庭になればすぐに、児童扶養手当(いわゆる母子手当)がもらえるわけでもありません。支給月ごとの受給になります。
母子家庭になれば、いろいろな補助や保育料や医療費に対してはメリットも多いので、子どもが小さいうちは福祉に頼るのも一つも方法ですが…。
すみません…。
少し、話がそれてしまいましたね。
共働きのご夫婦でも、お互いの収入で保っている生活水準を別居後も続けていけるでしょうか?
単純に馬力がひとつ減るんです。
すでに年金を受給しながら生活している状況だと…。
現状の生活を維持できるというのは、家庭内別居最大のメリットでもあります。
家庭内別居の理由その2 手続きのわずらわしさ
離婚や別居をするとして、その手続きのわずらわしさを考えてみましょう。
・離婚時の協議内容が複雑
離婚自体はとても簡単なんです。
おたがいが署名押印した離婚届を役所に提出してしまえば、そこからは赤の他人です。
ですが。
離婚をするとなれば、財産や親権などを考えると、手続きや決めることもたくさんあります。
・協議を他人に依頼するのもめんどう
離婚の手続きに関しては、代理人にお願いする方法もありますが、まずは依頼する必要がありますね。
行政書士を雇うや弁護士を雇うか、自分と相性のよい人かどうか…。
こちらもなかなか時間や頭を使う作業です。
・別居の場所探しや荷づくりが手間
別居するだけでも、新しい家を探して、契約をして…と毎日の生活にプラスαの労力を費やことに。
どちらかの実家に身をよせるにしても、荷物の移動は必要になります。
自力で運び出すのか、業者を雇うのかを考える必要がありますし、見積りしたり、荷造りしたり、めんどうなことはたくさん。
私自身この部分にかなりのわずらわしさを感じました。
自分と子どもの荷物…。
これからの自分の人生がコロッと変わるのですから、よっぽど切羽詰まっていないのであれば慎重に考えたいです。
・相手に任せていたことも自分でやらなければならない
それぞれに役割分担をされているご夫婦は多いでしょう。
家事や炊事だけのことではありません。
自分がせずにパートナーがしてくれていたこと、全てです。
手続きなどの事務処理をすべてパートナーにお任せしている場合、新しい生活を手に入れるのはかなり腰の重いことですね。
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理由その3 子どもへの影響
お子さんのいるご夫婦には、かなり頭を抱える部分でしょう。
家庭内別居を続けることでの子どものストレスも考えなればいけませんが、家庭が別になることのストレスもやはりたくさんあります。
転居や環境の変化は、大人でも不安や戸惑いが多くわずらわしいと感じるものですよね。
両親が離れることで自分の居場所に不安を感じたり、
経済的な理由からできないことが増えたり、
慣れ親しんだ環境と離れることになったり。
それらがすべてネガティブな方向に向かうわけではありませんが、できるだけ変化のない生活を送らせてあげたいというのが親心とも言えます。
ちなみに私は、
・両親が近くにいることで子どもが安心する
・おなじ家に暮らすことで、子ども達との接点が少しでも生まれる
・大人が一人でも多い方が、ケガや急病の時など対処しやすい
などが、家庭内別居を続けてでも、子どもと両親が一緒に暮らすことのメリットだと感じています。
実際に次男が救急車で運ばれたとき、家庭内別居中の夫に上の子たちを預けることができました。これで夫から協力が得られなければ、子どもにとってのメリットは薄いですよ。
玄関やトイレに行くときなど、ちょっと顔を合わせたときに、親子の会話がうまれることもあります。
特にケンカもせず無視もせずに距離を保っているだけの両親には、子どもの不安感はそれほど刺激されないようです。
家庭内別居で夫婦が顔も合わせない生活だと、理想的なパートナーシップのあり方を学ぶことはできませんが…。
家庭内別居の理由その4 世間体への不安
仮面夫婦で過ごす方もいらっしゃるように、世間体というのは生活に大きな影響を与えるものです。
何があったのか、これからどうするのか、夫婦のどちらに非があるのか…。
それぞれのご家庭にどのような事情があったのかは誰も知りませんが、知らないからこそ気になるものだったりします。
「離婚する」ということに自分自身が抵抗を感じる方であれば、他人の抵抗感や反応は理解できるはず。
世間だけではなく、ご家族や親せきなどへの顔向けができないという気持ちもあります。
家庭内別居の理由その5 関係の修復を望んでいる
相手のことを愛している。
経済的なことなどを考慮しても、元のさやにもどりたい。
そんな方たちも家庭内別居をしています。
実際に夫婦関係に改善の余地がある場合は、まずは修復を考えてみてからでも遅くはありません。
お互いに何の努力もせずに、全てを手放すことには疑問を感じます。
その関係からは逃げられたとしても、またどこかで同じ失敗をくりかえすでしょう。
それが人生、とわりきれれば別ですが。
関係の修復にはまず、お互いが冷静になることが大切。
家庭内別居をすることで今までとは違う距離感が生まれて、自分や相手の考え方や行動が客観的に見れるようになります。
そのうえでお互いの必要性を感じることができれば、修復に向けて話し合いを持つことも可能になるでしょう。
家庭内別居はそのための冷却期間ともいえます。
ただし
・話し合いがない
・お互いがなにを考えているかわからない
・自分の本当のきもちを素直に伝えることができない
そのような状況ではなかなか難しいです。
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いつまでつづけるのか
これは家庭内別居がどのような状態であるかにも、かなり左右されます。
今の状況を選んだ理由がなくなれば、次の行動にでるきっかけになりますよね。
一般には、次の4つで区切りをつけることが多いです。
・子どもの成長を目安にする
子どもがいるご家庭では、やはりここにひとつの基準を設ける方も多いです。
小さい時期は手のかかる反面、一番かわいい盛り。
パートナーには不満があっても、子どもとは別れたくないという意見も。
一方で、物心がつく前に離婚を選ぶ方もいらっしゃいますね。
また、転校や氏名の変更などの手続きが必要になるかどうかも、判断のポイントにされやすいです。
・経済的な安定を目安にする
夫婦のどちらか一方が経済的に自立が難しい、もしくはお互いに経済的に支え合っている状況だと、その問題が解消されるかどうかも大きいです。
離婚や別居を視野にいれている方であれば、資金を集める努力が必要ですね。
私は家庭内別居に悩んで、市の生活相談に行ったことがあります。
「専業主婦なら、まずパートでも始めておきなさい」といわれ、今後のために介護の資格をとりました。
・気持ちの整理がついたら
とにもかくにも、次の行動にうつるには、そのためのメンタルが大切です。
家庭内別居を選んだ状況や理由はそれぞれに違います。
結婚生活に対する理想や世間の目に縛られているのかもしれません。
相手への不満やさみしさにとらわれているのかもしれません。
将来の不安に包まれているのかもしれません。
ですが、これからの生活をどうしていくかは、自分自身の気持ちで大きく変わります。
・穏やかな生活ができるならいつまでも
ヒトは「慣れる」ものです。
最初は家庭内別居にとまどい、不安や不満を抱えていても、その状況に適応するように、知らず知らずに努力して調整している部分は必ずあります。
そうして、おだやかな気持ちで過ごせる日が訪れてしまえば、そこからあえて新しい生活を求めることもしなくなります。
世の中には不満を抱えつつ罵り合いつつも、普通に毎日顔を合わせて同居しているご夫婦だって、たくさんいますよね!!
円満な家庭内別居ができれば、それもひとつの理想形だな…とわたしは思うのです。
相手に望むばかりの関係性はむなしいです。
ちなみにわたしは子どもが大きくなるまで、家庭内別居を続けるつもりです。
子どもや家族に害のない範囲で、夫婦関係の修復もためしながら…。
一番理想的なのは、与えあい・分かち合う関係だと思うので。
常に状況をみて、これからどうするか、どうした方がしあわせなのかという選択を続けていくだけです。
まとめ
家庭内別居を選ぶ方の多くは、
1、経済的な問題
2、手続きのわずらわしさ
3、子どもへの影響
4、世間体への不安
5、実は関係の修復を望んでいる
などの理由から、今の生活を続けています。
そしてその理由が解消される、もしくはメリットがデメリットより少なくなれば、家庭内別居ではない形を選ぶことになるようです。
離婚・別居・修復・円満な家庭内別居などなど。
わたしたちは常に、何かを選びつづけています。
どうして家庭内別居を選ぶのか、どういう生活を選ぶのかは、結局自分がなにを大切にしたいのかということですね。
たとえ夫婦であっても、優先順位には違いがあります。
あなたにとって、最善の選択を。
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